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マネーコラム/少人数私募債

少人数私募債は銀行に頼らない資金調達です。

少人数私募債(社債)は、身近な人(取引先、従業員、友人、親戚)に、将来の事業計画を説明してお金を出してもらう手段です。ただし、50名未満の方(機関投資などのプロは除く)にしか募集できません。

従来は株式会社しか発行できませんでしたが、2006年5月から、新会社法の施行により、取締役会を設置していない小規模の株式会社や特例有限会社、LLC(合同会社)、合名会社、合資会社でも社債発行が可能となり、発行体の範囲が広がりました。

少人数私募債での資金調達は銀行からの借入れに比べ以下のメリットがあります。

銀行からの借入れは、毎月、元本と利息を返済していかなければなりません。少人数私募債は元本は満期(3年〜5年が一般)まで返済する必要がありません。利子も年1回または2回の後払いなので、安定的に調達資金を利用できます。

銀行からの借入れの場合は通常担保が必要ですが、少人数私募債に発行するには担保は不要です。

その他、私募債の利子は損金算入できますので、節税効果もあります。また、少人数私募債を購入してもらえるということは発行体(企業)に信用がある証拠ですから、銀行からの評価も高くなる可能性があります。新規融資や切り替え時にも有利な交渉ができることになります。

一方、社債権者(購入者)側のメリットは以下の通りです。

社債利率は2〜5%が相場であるため預貯金に比べ、魅力的な資産運用手段となります 。また、社債利子にかかる税金が20%の源泉徴収税で済むので、高額所得者には有利です。中小企業のオーナー社長さんは個人のお金を会社に貸し付ける場合も多いと思いますが、その場合の利子は総合課税されてしまいますので、少人数私募債を発行したほうが有利です。

社債の発行は難しいと思うかもしれませんが、少人数私募債の発行は思いのほか簡単です。自治体によっては、社債の利子や社債発行コンサルタントの経費に補助金が支給されるところもあります。取引先に購入してもらえば、関係強化にもなります(発行体が倒産したら困りますから)。アイデア次第で単なる資金調達以上の効果がありますので、検討してみる価値があります。

                                       以上 CFP新美昌也




少人数私募債は銀行に頼らない資金調達です。...