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FPひとりごと-資産運用は収益性だけでは判断できない-

教育資金の貯め方のご相談の中で、「学資保険に入った方が良いでしょうか」というご質問をよく受けます。2008年3月現在、学資保険の中では最も貯蓄率が高いと定評のあるソニー生命の例で見てみると、18年間で満期保険金を総支払い保険料の111%受け取ることができます。

18年間で11%しか増えません。収益性だけを考えたら18年間の運用期間があるので、今後金利が上昇するとの前提にたった場合、学資保険は普通預金(変動金利)にすら負ける可能性があります。
 
しかし、損得だけで資産運用を考えるのは必ずしも正しくない面があります。仮に、教育資金を学資保険よりも利率が良いということで短期の定期預金などで運用した場合を考えてみましょう。この場合、運用期間中に一時的に他の目的にお金を使ってしまい本来の目的である教育資金の目的を達成できなくなる可能性があるのです。
 
つまり、人は自己を律することは難しいということです。

自己を律するためには、お金に色をつけて、収益性を多少犠牲にしてでも、教育資金を貯めるために学資保険を購入するということも目的達成のためには必要なのです。

学資保険と同様のことは、老後の資金の準備として民間の個人年金保険に加入する場合にも当てはまります。個人年金保険も収益性だけを考えたら保険商品よりも積立投信で運用した方が有利になる場合は高いといえます。なぜなら、保険の場合は保険料から保険関係コストを控除された金額が運用されるからです。

 結局、資産運用を考える場合、収益性だけを考えるのではなく、お金に色をつけ、目的が明確な金融商品で資産運用に取り組むという観点も必要です。この観点から、学資保険や個人年金保険に加入するのは、他の金融商品より収益性は劣るかもしれませんが、有益な商品と言えましょう。